大阪で開業する女性税理士です。

なぜ法人化したいのでしょう?

2016/07/28
 
この記事を書いている人 - WRITER -
税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

なぜ、法人で事業をしたいのでしょうか?と聞くと、

1.社会的信用があるから

2.節税できるから

3.いい人材を集められるから

4.融資を受けるにあたって、有利だと聞いたから。

などなど。。。が挙げられます。

そして、多くの方が1つではなく、その理由を2つぐらいは挙げてきます。
その理由を行った後は、「けど、迷ってます。」と言います。

なぜ、そうなるのでしょうか?

たぶん、そのメリットが本当かどうか、測りかねているのでしょう。

 

決断する参考に個人的に意見を書いてみます。

 

1.社会的信用があるから

 
これは、その通りだと思います。

なぜなら、大手の企業と取引する場合、個人事業主では取引先としての条件をクリアできないケースがあります。

大手の企業では取引先に対する与信管理が行われています。

「この企業と取引しても大丈夫か」という調査において、個人事業主の場合、その実態すら確認するのが難しいですが、法人の場合は法務局に登記をする必要があり、第三者がその会社について実態の確認をすることができます(詐欺集団がダミーで会社を興すような場合はどうしようもないですが。。。)。

聞いた話ですが、ある保険代理店さんでは法人と個人事業主では受け取る代理店手数料の率が違っていて、法人の方がその率がいいそうです。同じ仕事をしていても、法人ってだけで入ってくるお金が多いんですね。

 

2.節税できるから

 
これは、半分は正解です。

各個人の状況にもよりますが、個人事業主の所得(簡単に言うと利益のことです)が500万円以上あれば、節税になるかと思います。

だけど、法人化をすると、コストも手間も掛かります。

法人の場合は従業員が一人でも社会保険が強制加入になり、所得が500万円ぐらいだと、節税のメリットは社会保険料が増加することで帳消しどころか、金銭的負担が増えることもあります。

個人事業主より法人の方が節税の幅は拡がりますが、すべての方に当てはまるわけではありません。

現時点で「法人化すれば節税できる」だけでは、法人化は避けた方がいいでしょう。

 

3.いい人材を集められるから

 
これはイメージの問題ですね。

例えば、あなたがハローワークで求人票を見ていたとします。

そこで二つの求人票に目が留まりました。

一つは「田中商店」、個人事業主です。もう一つは「株式会社田中」、法人です。

どちらも同じような雇用条件です。

どちらに応募するでしょうか?

なんとなく、会社の方がいいような気がしませんか?

イメージって知らない者同士ではかなり重要で、表現方法で受ける印象が違いますよね。

・融資と借金・・・同じ意味です。

・サラ金とノンバンク・・・預金業務はしないで、どちらもお金を貸しています。

・お客様相談係とクレーム係・・・やる仕事はほぼ同じです。

・スリムとガリガリ・・・細いという意味では同じです。

どうでしょうか?

 

4.融資を受けるにあたって、有利だと聞いたから。

 
これは、個人事業主でも法人でもあまり差がないように思います。

個人事業主の方でも、毎年の申告納税をきちんと行っており、説得力のある事業計画書があれば、借入されている方は沢山おられます。

逆に法人でも税金の滞納があったり、金融機関に対して事業計画書等で自分の事業をアピールできなければ、借入はできません。

 

最後に。。。

 
現在は資本金が1円でも株式会社を設立することができるようになり、株式会社の資本金が1,000万円必要だった昔に比べて敷居が低くなりました。
しかし、現在、個人事業主で業務をされている方は、よく考えてから法人化してください。
具体的には、将来的に事業をどうしたいのか?、法人化する必要性はなんなのか?です。
例えば、会社組織でないと取引してもらえない顧客ができそうだ、などの理由があれば踏み切ったほうがいいでしょう。

また、法人化することがどういうことか知っておく必要もあります。
法人化した後で、「自分で稼いだのに、会社から好きにお金を引き出してはいけないのか?」と言う方がいます。

商売で稼いだお金は会社のもので、いくら自分が出資も経営もしていたとしても、会社のお金を勝手に引き出すことはできません。商売で稼いだお金を自分の懐に入れようと思うと、会社から給料という形でもらうことになります。

給料以外で会社のお金を引き出してしまうと、会社からお金を借りたことになります。

法人化すると、個人から商売が切り離されるのです。

また、法人化したら想像以上にコストと手間がかかったという声も聞きます。
法人から個人へ戻すこともできなくはありませんが、社会的な信用という観点からはおすすめできません。
それに、法人を解散させるのにも費用が掛かります。

法人化には、メリットとデメリットに関する事前のリサーチと事業を継続し繁盛させていく覚悟が必要なのです。

 

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税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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