大阪で開業する女性税理士です。

資本金と貸付金はいつ戻ってくる?

2018/06/04
 
この記事を書いている人 - WRITER -
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

個人事業から法人成りをした方からときどき次のような質問を受けます。

「個人事業時代は自分の通帳に入ってきた売上代金等のお金を自由に引き出してました。
けど、法人成りしたら、売上代金等の通帳に入っているお金は会社のものであり、社長の自分は自由にお金を引き出せないの?資本金も出してるし、会社に貸付金もあるのに。。。」

そうです。通帳に入っているお金は基本的に会社のもので、社長のものではありません。
社長は経費に使うお金が引き出してもいいのですが、生活費など個人的に使うお金は給料で賄うことになります。そのため、会社の通帳から生活費等に充てるお金を引き出すと、社長が会社からお金を借りたことになります。

会社に入れた資本金と貸付金ですが、これは扱いが全く異なります。

資本金は返ってこない?

資本金は会社の元手となるお金です。
その会社の元手を出した人を出資者(株式会社の場合は株主)と言います。
その元手はある単位に分かれています。
例えば、500万円の資本金を出した場合、1株5万円で100株という感じです。
この1株5万円は会社が儲けていくと増えていくため、ずっと5万円ではありません。
これは投資に当たるため、その単位ごとに売却するか、会社をたたむまで自分の手元にお金は戻ってきません。
会社は元手を出した人の所有物となりますが、元手を自由に引き出せることになると、会社が活動していく資金がなくなります。
そのため、会社から資本金を自由に引き出すことはできないのです。

 

貸付金はいつ返してもらえる?

一方、貸付金ですが、これは会社にお金を貸したものです。
一般的な貸し借りと変わりありませんので、話し合いにより返済を受けます。
社長が短期的に会社にお金を貸したようなケースでは、契約書もなく、返済条件も決まっておらず、あるとき払いになることが多いです。
ですので、資金に余裕があるときにいつでも引き出してよい(返済してもらってよい)ことになります。

ただし、しっかり管理をしていないと、貸しているからと会社からお金を引き出し過ぎ、貸していたはずが借りていた、ということにもなりかねません。

そのため、いくら貸付金の残高があるかは把握するようにしましょう。

この記事を書いている人 - WRITER -
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

Copyright© たつだ会計事務所のブログ , 2015 All Rights Reserved.