大阪で開業する女性税理士です。

生命保険を使っての相続対策

2016/10/06
 
この記事を書いている人 - WRITER -
税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

平成27年1月1日より相続税の基礎控除について増税になる方向で改正があり、今まで以上に生命保険による相続対策が行われているようです。
この場合の生命保険とは、終身保険です。定期保険や養老保険では契約期間中に死亡しないと死亡保険金は受け取れないため、相続対策にはなりません。
生命保険は掛け方により課される税金が変わってくるため、そんなに税金が掛かるとは思ってなかった!と言うことがないようにしっかり理解しておきましょう。

相続税の非課税枠

なぜ、生命保険で相続対策が出来るか?ですが、死亡保険金には、下記の通り相続税の非課税枠があるのです。

・500万円×法定相続人の数=生命保険金の非課税金額

例えば、旦那様がお亡くなりになり、法定相続人が奥様と子供2人で、妻が死亡保険金を2,000万円もらったときは

・2,000万円-(500万円×3人)=500万円

となり、2,000万円をもらったのに500万円が相続税の課税対象となります。

もし、生命保険を掛けず、2,000万円を銀行口座に預金していたままだったら、そのまま2,000万円が相続税の課税対象となります。

生命保険の課税関係

この生命保険に掛かる税金関係ですが、どのように契約するか?により課される税金が変わってきます。

(死亡保険金の課税関係)

参照:国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1750.htm

相続税の課税対象にするためには、自分で保険料を負担して、自分が死亡したら、家族が保険金を受け取れる契約にしなければなりません。

上記の例では子が保険受取人になっていますが、妻でも構いません。

ただ、「配偶者の税額軽減」という相続税の規定があり、配偶者は相続税がゼロ又は少なくなるため、子供を受取人にしておく方がよいケースが多いです。

また、子供に現金を贈与してそのお金で生命保険に加入するという方法もあります。
年間110万円までの贈与については贈与税が掛かりませんので、その範囲で贈与を行い、子供が契約者となり保険料を負担し、かつ、保険金受取人=子、被保険者=夫又は妻とする保険契約をします。
この場合、保険金受取時は所得税課税の対象となるため、所得の計算は次のようになります。

・(受け取った死亡保険金-支払った保険料の総額-50万円)×1/2

支払った保険料の総額を控除でき、かつ、特別控除額50万円があるうえ、半分が課税対象となるため、税額を抑えることができます。

但し、この場合は次のように贈与の証拠を残しておくことが大事です。

1.贈与契約書を作成する。→公証人役場で確定日付を取っておくとより確かです。
2.贈与額と贈与時期を毎年同じにしない。
3.その生命保険契約について、夫や妻の年末調整や確定申告時に生命保険料控除を適用しない。
4.新たに通帳を作成する際は子供が口座開設の手続きをし、子供自身が通帳と印鑑を管理する。→間違っても親の印鑑を使って口座開設をしないようにすることです。

税金だけじゃないメリットと注意点

亡くなった方の預金口座は凍結され、遺産分割が終了するまで引き出すことができません。
しかし、死亡保険金は受取人が保険会社へ手続きをすることにより、遺産分割前にその現金を手にすることができるのです。
遺産分割が早期に終了せず、未分割のまま相続税の申告を行うことがありますが、そのような際の納税資金にも使えます。

ただし、生命保険は基本的に健康でないと加入できないため元気なうちに加入を検討しなければならない点や、現金が出ていくためその後の生活資金に支障がないかという点については注意が必要です。

相続対策は、税金対策だけではなく家族の意向など個々の状況に応じて最適な方法が異なります。相続対策をする際は専門家へ相談されることをお勧めします。

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税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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