会社を設立したら知っておきたい役員報酬のポイント

      2016/10/06

開業と同時に会社を設立した場合も、個人から法人成りした場合であっても、会社を設立して社長になったら、社長は会社から給料(=役員報酬)をもらうことになります。 最初のうちはどれぐらいの給料が適正なのか分からず、売上が多い月はたくさん給料をもらって、売上が少ない月は給料をゼロにしたい、と言うのが本音だという人も少なくありません。

しかし、会社に掛かる税金を規定する法人税法はそれを許さないのです。。。

 

法人税法で決まっている役員報酬のタイプは3つある

会社から給料をもらったら本来は経費にできて当然なのですが、次の3つのいずれかに該当しないと、法人税法上は経費として認めてもらえず、その分利益が増えて法人税をたくさん支払うことになります。

1.定期同額給与
端的に言うと、会社から社長へ毎月一定額を給料として支払い、一年間継続するということです。 一番重要なものなので、後で詳しく説明します。

2.事前確定届出給与
その名の通り、事前に誰に、いつ、いくら給料を支払うかを税務署に届出したうえで支払う給与です。 届出の通りに支払わないと、一切経費として認めてもらえません。 例えば、12月10日に50万円支払うと届け出て100万円支払う、逆に100万円支払うと届け出て50万円だけ支払う、どちらも全額認めてもらえません。

3.利益連動給与
上場企業が役員に対し利益に連動した給与を支払う際に一定の要件を満たしていれば、経費として認められるものです。

 

定期同額給与はいつ金額変更可能なの?

会社は毎年決算後3か月以内に株主総会を開くことになっています。
そのため、事業年度開始の日以後3か月以内において改定される場合は経費として認められることになっています。

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例)前事業年度まで50万円の給料だった場合(給料日:毎月25日)
1.6月24日の株主総会で65万円に増額することに決定し、6月25日から65万円を支給した(4月25日と5月25日はそれぞれ50万円を支給した)。・・・OK

2.6月24日の株主総会で65万円に増額することに決定し、翌月の7月25日から65万円を支給した(4月25日~6月25日はそれぞれ50万円を支給した)。・・・OK、翌月からの増額で決議がされていれば大丈夫です。

3.株主総会が6月24日で65万円に増額することに決定し、6月25日から65万円を支給したが、4月から遡って増額したいため、4-5月の差額に当たる30万円を6月25日に上乗せして支給した。・・・NG、遡っての支給は認められません。

この場合の対策は、30万円を12か月に分けて支給することです。
30万円÷12か月=2万5千円を65万円に上乗せし、67万5千円で株主総会の決議をし、6月25日から1年間支給することで4月から65万円を支給したことと同じになります。

 

定期同額給与は業績が下がったときも変更できる?!

定期同額給与の改定は上記のケースだけではありません。
業績悪化改定事由や臨時改定事由に該当する場合も変更が可能です。

しかし、よくありうる「資金繰りが厳しいから」という理由は業績悪化事由に該当しません。

例えば、売上の大半を占める得意先が1回目の手形の不渡りを出し、調査したところ、得意先の経営が悪化していてその事業規模を縮小せざるを得ない状況が分かり、その影響により数か月後には自社の売上が激減することが避けられないとなった場合は、その得意先の経営状況が悪化していることに関する資料や経営改善計画書などを保存することで、変更が認められると考えられます。
つまり、業績悪化改定事由とは、客観的に業績が悪化していることを示すことが必要であり、経営者がただ単に業績の見通しが悪いからと言うだけで役員報酬を下げることはできないのです。

臨時改定事由とは、役員が病気で入院したことにより当初予定されていた職務の執行が一部できなくなった場合などがあてはまります。
また、病気で入院していたが回復して、従前と同様の職務の執行が可能となったことにより、臨時株主総会の決議を経て入院前の給与と同額の給与を支給する改定についても、臨時改定事由による改定と認められます。

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