社長が知っておきたい役員貸付金と役員借入金の問題点

      2018/06/04

会社経営をしていると、多かれ少なかれ、社長と会社の間で貸付又は借入が発生することがあります。

同族会社で株主=経営者となっていると、社長自身が会社のお金と自分のお金を同じように考えてしまっているケースがあり、会社と社長とでお金を貸し借りしている感覚がない方も見受けられます。

会社と社長との間の貸し借りはやむを得ないとしても、役員借入金と役員貸付金がある場合の問題点はしっかり頭に入れておきましょう。

 

役員貸付金について

役員貸付金とは

役員貸付金とは、法人が役員に対して金銭を貸し付けていることを表します。

勘定科目で役員貸付金というものがあるわけではなく(特別に作った場合を除く)、一般的には短期貸付金や長期貸付金という勘定科目の中に含まれます。

ただ、法人の税務申告書に添付する勘定科目内訳書には、短期貸付金や長期貸付金の内訳を記載するため、決算書上は役員に貸し付けていることが分からなくても、勘定科目内訳書を見ると役員に貸し付けていることがわかります。

役員貸付金が発生する理由は、1.社長が会社と個人のお金を混同している、2.会社設立当初はそれほどの利益が見込めないため、役員報酬をゼロにしたり又は役員報酬を少なくした結果、個人の生活費が不足し会社からお金を引き出さざる得なくなる、などがあります。

 

役員貸付金に対する利息

会社は利益を追求する組織であるため、お金を貸したのであれば、利息を取る必要があります。

役員や従業員に対する貸付にかかる利息は、次のいずれかの利率により計算します。

1.その利率が貸し付けを行った日の属する年の特例基準割合による利率(平成27年の特例基準割合は1.8%です。)
2.会社が金融機関から借入をしている場合は、その借入利息の平均利率

利率が合理的でないと認められた場合は、その差額は役員又は従業員に対する給与とされ、その個人に課税されることになります。

参考:特例基準割合とは

 

役員貸付金のデメリット

役員貸付金のデメリットは上記のように利息が発生することにより、会社の利益が増加し、その利息分に税金が課せられることです。

また、金融機関に借入を申し込んだ際に、マイナス評価となります。金額が少なく、返済の見込みが十分にあるなら、それほど影響しないこともありますが、基本的に金融機関の印象は悪いでしょう。

 

役員借入金について

役員借入金とは

役員借入金とは、法人が役員から金銭を借りていることを表します。

役員貸付金と同様に、勘定科目として役員貸付金というものがあるのではなく、短期貸付金や長期貸付金という勘定科目の中に役員貸付金も含まれます。そのため、決算書上では役員からの借入金の有無は確認できず、勘定科目内訳書を見ないと役員借入金があるか否かが分かりません。

役員借入金が発生する理由は、1.会社の資金繰りが足らないため社長が個人のお金を入金した、2.社長が立て替えた経費を精算せずに累積した、などが挙げられます。

 

役員借入金に対する利息

役員借入金に対する利息は計上しなくても構いません(貸した本人がよければ)。会社は利益を追求するものですが、個人はそうとは限りません。存在の意味が違うのです。

会社は役員に利息を支払っても構いませんが、受け取った役員はその利息が雑所得となり、確定申告の必要が発生します。

 

役員借入金のデメリット

役員借入金も役員貸付金と同様に金融機関からの評価が下がる可能性があります。

また、役員が死亡した場合は相続財産となり相続税課税の対象となります。

 

まとめ

役員貸付金も役員借入金も適正に管理をし、解消していくように計画を立てることが大事です。

経理をきちんと行い管理をしていれば、いつの間にか残高が膨らんでいてなかなか解消できないということにはならないでしょう。

一番まずいのは、株主=経営者であるからと、管理を甘くすることです。

会社と個人のお金の管理はきっちりと行いましょう。

 

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