大阪で開業する女性税理士です。

法人成りで消費税免税も今だけ?インボイス制度導入で法人成りのメリットが減ってしまう?

2019/08/01
 
この記事を書いている人 - WRITER -
税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

法人成りについての相談を受けることがあります。

現在は金銭的なメリットとして、「資本金が1,000万円未満なら消費税が2年間免税ですよ。」というお話もできます(1年間しか免税にならないケースもありますが)。

しかし、今後はそんな単純な説明では済まされません。

軽減税率の導入が決定されたとともに、インボイス方式の導入も決定しました。このインボイス方式の問題点として、消費税の免税事業者が取引から排除される可能性があるとして、問題になっています。

一体どんな風に問題なのでしょうか。

 

インボイス方式って?

現在は、請求書に消費税の金額が記載されていなくても、その取引内容が課税取引(国税庁:参考1参考2)であれば、消費税が掛かっていると判断します。そして、事業者が消費税の計算をする際に、課税取引に係る消費税を仕入税額控除することができます。

(参考:消費者じゃないのになぜ飲食店はお米を買って消費税を払うの?~消費税の仕組みを知ろう~

けど、インボイス方式はインボイスに記載された税額しか控除できません。課税取引だからってすべて仕入税額控除できるわけではないのです。

インボイス(つまり請求書や領収書)の特徴は、次の通りです。

1.課税事業者が発行
2.適用税率と消費税額が明記されている
3.課税事業者の登録番号が記載されている

インボイスは課税事業者が発行するものであるため、免税事業者の請求書や領収書はインボイスに該当しません。

 

取引対象から排除される?!

上記に書いたように、免税事業者はインボイスを発行することが出来ません。

(免税事業者について:納税義務の免除

免税事業者が発行した請求書や領収書では仕入税額控除ができないため、取引から排除されるのではないか?という問題点が想定されるのです。

エンドユーザーが取引相手の業種は免税事業者でも取引から排除されないかもしれません。しかし、BtoBの場合は課税事業者として登録する選択を迫られる可能性があります。

取引してもらえないぐらいなら、課税事業者の届出(自ら選択して課税事業者になることができます)をするのも仕方ないですが、新設法人が2年間消費税を免除してもらえなくなるのはイタイ話ですね。

 

いつから導入される?

インボイス方式の導入時期は平成35年10月1日とされています。

当初は平成33年4月1日でしたが、消費税率10%の導入時期が2年半延期され平成31年10月1日となったことから、インボイス方式の導入も2年半延期されました。

自民党HP:消費税率引上げ次期の変更に伴う税制上の措置

 

最後に救いの情報

日本税理士会連合会で「免税事業者が取引から排除されることがないように対策をしなくてはならない」ということで、建議書が出ています。

ここでの内容とは、み~んなを課税事業者にして、そのうえで、課税売上1,000万円以下の事業者については申告不要としましょう、というものです。

下記のURLの11ページに固い言葉で書いてあります。

日本税理士会連合会:平成29年度税制改正に関する建議書

この建議が通ればいいのですが。。。

現在決定している消費税の制度は今後も変わる可能性がありますね。

 

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税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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