大阪で開業する女性税理士です。

あなたは大丈夫?確定申告の義務がある人又は義務がない人、確定申告したほうが良い人

 
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上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

毎年、所得税の確定申告は2/16~3/15です。
但し、還付申告の場合は毎年1/1~提出できることになっています。
税務署が1/1に空いてませんので、実際は1/4(平日であれば)からです。

確定申告の義務があるかどうか、早めに確認しておきましょう。







 

給与所得がある人

給与をもらっている人で確定申告が必要な人は、

1.年間給与収入が2,000万円超えている人
2.一か所の会社からのみ給与をもらっていて、その給与以外の収入が20万円を超える人
3.二か所以上の会社から給与をもらっていて、年末調整をしなかった給与と給与以外の収入の合計が20万円を超える人
4.同族会社の役員で、その同族会社から事務所家賃等の給与以外の収入がある人(収入が20万円以下でも申告の必要あり)

などです。
(詳しくはこちらを参照)

ただし、上記の2と3の「20万円」の基準を使って、確定申告不要と判断した場合には注意点があります。

20万円以下の基準を使って確定申告不要と判断した人へ

(注意点その1)
この「20万円」の基準は所得税のみで、住民税には適用されません。
そのため、給与以外に20万円以下の収入がある場合、所得税は確定申告の義務はなくても住民税は申告する必要があります(住民税の確定申告の期限も3月15日です。)。
なお、所得税の確定申告をした場合は、所得税の確定申告書のデータが市役所へ回るため、住民税の申告をする必要がありません。

(注意点その2)
医療費控除や住宅ローン控除などを受けるため確定申告をする場合は、20万円以下の収入も確定申告に含める必要があります。

基本的に確定申告をする場合、すべての収入を含めなければいけません。

控除を受けたいから確定申告をするけど、20万円以下だから副収入は含めませ~ん、と言うことは認めてくれません。

申告をしたほうが良い人

申告をしたほうが良い人とは、確定申告することで還付を受けられる可能性がある人のことです。

1.年の途中で退職して、その後就職せず年末調整を受けていない人
この場合は、必ずしも還付を受けられるわけではありません。しかし、昨年までは年末調整時に提出していた生命保険料控除、退職後に支払った健康保険料や年金保険料があれば、還付の可能性は高いです。

国税庁のe-Taxで確定申告書作成コーナーを利用する際に「書面提出」を選択して、還付されるかどうか計算してみましょう。

ただし、計算前に確認してほしいことがあります。源泉徴収票の「源泉徴収税額」という欄を見て金額がゼロであれば、退職後に支払った健康保険料等や多額の医療費、そのほか何があろうと還付されることはありません。

あくまで、給与から天引きされた、言わば前払いをした税金の精算ですから、前払いした税金がなければ還付の余地がないのです。

2.医療費控除や住宅ローン控除などの適用がある人
これはよく知られていることかと思います。

医療費控除や住宅ローン控除のほかに寄付金控除もありますね。

ただ、ふるさと納税をした人で一定の条件に当てはまる人は所定の手続きをすることで、確定申告をしなくてよくなりました。そのため、寄付金控除で確定申告される方は少なくなったでしょう(詳しくはこちら)。

 

事業所得がある人

収入が事業所得のみで、事業上の利益(所得)が次の金額以下の人は確定申告の義務はありません。

「その年に支払った健康保険料+その年に支払った年金保険料+38万円(基礎控除)」

つまり、利益が所得控除の合計額以下なら確定申告の義務はないのです。

上記の計算式には、分かりやすくするために限られた所得控除のみ記載しましたが、国税庁のHP(こちらを参照)を見て他の所得控除もあれば足してみましょう。

 

退職所得がある人

退職金をもらった場合、適正に源泉徴収税額が計算されていると、基本的に申告の必要はありません。

ただし、次の場合は確定申告の必要があるか、または、申告すると還付を受けることが出来るかもしれません。

1.「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しなかったため、退職金支給額に20.42%を乗じた金額が源泉徴収されている場合

これは、退職金に係る税金が適正に計算されているとは言えません。そのため、基本的に確定申告の必要があります。

ただ、この場合でも還付になるケースが多いです。

2.退職金以外の所得から差し引けない所得控除がある場合

退職してそのまま就職せず収入がなかった場合は、所得よりも所得控除が多くなる場合があります。

退職所得からも所得控除を差し引くことが出来ます。

そのため、まず退職金以外の収入について税金の計算をしてみてください。そこで、税額がゼロになったら、可能性ありです。

ただし、退職所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」という欄を見て金額がゼロであれば、還付の余地はありませんので、最初に確認しましょう。

 

最後に

事業を行っている人は確定申告の義務はなくても確定申告をしておいた方がよいでしょう。

確定申告をしないと、自分の収入についての証明がされず、困る場面もあります。

確定申告は、「1.義務があるか?ないか?」、「2.したほうが良いか?しなくても問題ないか?」この二つの点から考えましょう。

 

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