ビットコインの利益は雑所得になるって、国税庁のタックスアンサーに載りましたね。

個人がビットコインを使用することで生じた利益は雑所得に該当すると、国税庁のタックスアンサーに掲載されました。
国税庁:タックスアンサー ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
これまで、投資目的の場合、譲渡所得ではないかという話もありましたが、投資目的で売買しても原則は雑所得のようです。
また、「ビットコイン」と書いてますが、仮想通貨全般がこの取り扱いになると思われます。
個人に課せられる所得税は種類に応じて計算方法が違う
ビットコインに係る利益は雑所得と言われても、そもそも所得税の仕組みが分かってないとピンと来ませんよね。
所得税って、その種類に応じて所得(所得とは、ざっくり言うと収入から経費を引いた利益のコト)の計算方法が違ったり、税率が違ったりします。
種類は10種類で次の通りです。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
各個人が自分に入ってきた1年間(毎年1月1日から12月31日)の収入を上記の区分に分けて、それぞれ所得を計算した後に、一定率を掛けて税金の額を計算します。
※詳しくは国税庁の資料をどうぞ
どんな場面で課税がされるのか
ビットコインを保有してるだけでは税金が掛かりません。
ビットコインで税金がかかる場合は、
- 売買する(日本円やドルなどに換金する)
- ビットコインを使用して買い物をする
- 自営業者が商品代金をビットコインによる決済で受け取る
- 他の仮想通貨とトレードする
- 採掘する
ですね。
「5.採掘する」については、電気代が掛かったり、それなりに資金を投入して継続して行わないと利益が出ないため、事業所得になるようです。
採掘以外は、事業として継続して行う場合は事業所得に該当し、それ以外は雑所得です。
サラリーマンは、ビットコインに係る所得が20万円以下なら申告不要
収入が給料のみの場合は、ビットコインに係る所得が20万円以下なら、確定申告しなくて大丈夫です(年間の給与収入が2000万円を超える人は除く)。
けど、住宅ローン控除や医療費控除などがあって確定申告する場合は、ビットコインに係る所得が20万円以下でもその申告に含める必要があります。
参考:国税庁HP 給与所得者で確定申告が必要な人
ビットコインで損した場合はどうなるんだ?!
ビットコインで損した場合、雑所得だと他の所得と相殺できません。
例えば、給与所得300万円のサラリーマンがマンションの一室を人に貸していて不動産収入がある場合、その不動産所得が△10万円の赤字であれば、給与所得300万円から不動産所得の赤字△10万円を控除して、合計の所得は290万円とすることができます。
しかし、ビットコインで△10万円の赤字を出しても、その赤字が雑所得に該当すると、給与所得の300万円から赤字の△10万円を控除することはできません。この場合、合計の所得は300万円です。
但し、雑所得に該当するもの同士であれば、相殺が可能です。例えば、年金は雑所得なので、ビットコインの赤字を相殺できます。FXも雑所得ですが、分離課税と言って、他の所得とは別に計算する方法であるため、ビットコインの赤字をFXの所得と相殺することはできません。
(追記)
仮想通貨に係る所得の計算方法等、というタックスアンサーが平成29年12月1日に掲載されました。
仮想通貨による損失の取り扱いだけでなく、売買、商品購入で仮想通貨を使用したり、仮想通貨の交換やマイニング等をした際の所得の計算方法なども記載されています。
最後に
平成29年4月施行の法律で、仮想通貨を扱う業者は金融庁への登録が義務になりました。
※平成29年9月29日付で11社が登録されたそうです(免許・許可・登録等を受けている業者一覧→このリストは各業者の取扱通貨が記載されていて、どの業者がどの通貨を扱っているのかを確認するのにも使えます。)。
仮想通貨をめぐる法整備については、これからもどんどん変わっていくと思われます。
今回のビットコインに対する課税もとりえあず決めた感があり、その普及度合いに従ってこれからも改正される可能性が十分あります。
この記事は平成29年9月現在での情報をまとめたものですので、実際に申告する場合は税務署や税理士に確認の上、申告してくださいね。