大阪で開業する女性税理士です。

法人成りや2つ目の会社は消費税が免除されない?!

2020/01/27
 
この記事を書いている人 - WRITER -
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

会社を設立して2年間は一定の要件を満たすと、消費税が免除されます(詳しくはこちら)。

ただ、すでに会社を経営している人が別の会社を設立したり、親が事業をしている場合などは消費税が免除されないケースがあります。

 

平成26年4月1日以降に設立された会社に適用される

この規定は、「特定新規設立法人の納税義務の免除」というもので、平成26年4月1日以降に設立された会社に適用されます。

どんな規定かというと、下記のいずれにも該当すると、設立初年度から消費税の納税義務が出ます。

1.「社長」や「社長の親族」、「社長や社長の親族だけが出資者となっている会社」だけで出資金(株式)を50%保有する会社である。

2.「社長」や「社長の親族」、「社長と社長の親族だけが出資者となっている会社」の課税売上高が5億円を超えている場合

※上記の社長とは、社長=出資者(100%)と仮定してます。これがよくあるパターンですので。以降も社長=出資者(100%)という会社を前提とします。

 

気を付けるパターンは2つ目の会社

「特定新規設立法人の納税義務の免除」の規定に当てはまってしまいそうなケースをいくつか挙げます。

1.法人成り

個人で事業をしていて、それを法人化する場合です。

法人成り前に営んでいた個人事業の課税売上高が、5億円超えるか否かの判定対象になります。

工事業など売上規模が大きくなりがちな事業であれば、可能性あるでしょうね。

ただ、売上が5億円になる前に法人成りするケースが多いかもしれません。

2.現在すでに会社経営をしていてもう一つ会社を設立

現在、会社を経営していて、それとは別に会社を設立する場合です。

いわゆる兄弟会社と呼ばれるものです。

今ある会社の課税売上高が5億円を超えるなら、消費税は免除になりません。

3.親が事業を行っている

親が自営業で、その事業の課税売上高が5億円を超える場合です。

但し、この場合、該当するのは「生計一である親族」ですので、別生計であれば関係ありません。

例を挙げると、

(ケース1)同居している親(生計一の親)が会社を経営していて、その会社の課税売上高が5億円を超えている→消費税の納税義務あり

(ケース2)別居している親(別生計の親)が会社を経営していて、その会社の課税売上高が5億円を超えている→消費税の納税義務なし

(ケース3)同居している親が会社を経営していて、その会社の課税売上高が1億円→消費税の納税義務なし

となります。

 

まとめ

上記はあくまでこちらの基準で消費税の納税義務がないとなった場合に検討するものです。

課税売上高が5億円を超えているか否かは、基本的に過去の一定期間の課税売上高で判定します。

いつの課税売上高かは説明が複雑になるので書いてませんが、5億円前後の売上があるなら、この規定に当てはまるか確認したほうが良いでしょう。

また、理解が難しくなるので、細かな部分については省き、パターンを限定して書いてます。

自分が当てはまるか否か、気になる方は専門家に相談することをお勧めします。

 

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上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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