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税金は独立組に優しくなる?—平成30年度税制改正大綱で分かる今後の税金

2020/01/27
 
この記事を書いている人 - WRITER -
税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

先日、平成30年度の税制改正大綱が発表されました。

新聞等でも報道されていましたが、個人の税金について改正が入る予定があり、高所得のサラリーマンなどは増税になります。

この個人の税金について、どんな内容の改正なのか、ざっくりと解説します。

※税制改正大綱とは・・・税金の法律は、毎年改正があります。で、翌年度以降の税金の改正について、毎年12月中旬に「こんな税金の制度にしていこうよ」という案が出来上がります。その案が税制改正大綱です。そして、その案、つまり、税制改正大綱を基に翌年の3月末ごろに税金の法律が確定します。

 

 誰が増税になるのか?誰が減税になるのか?

現在の税制と比較して、増税になってしまう人は次の人です。

・サラリーマンで年収(給与の額面金額1年分)が850万円を超える人

・サラリーマンや自営業などは関係なく、合計所得金額が2,400万円を超える人

※年金をもらっている人で増税になる人もいますが、省略します。

逆に減税になる人は、次の条件を満たす人です。

・自営業やフリーランスの人で合計所得金額が2,400万円以下の人

・白色申告の人または青色申告特別控除額が10万円の人
又は
・青色申告特別控除額が65万円で申告期限までに電子申告をしている人
(又は帳簿を電子保存している人)

※合計所得金額とは・・・まず所得とは、自営業やフリーランスの場合、簡単に言うと利益のこと。所得は、給与、事業、不動産など全部で10種類に分けられますが、その10種類の所得を全部合計したものを合計所得金額と言います。詳しくはこちらこちらをどうぞ。

 

何が変わるのか?

個人の税金に係る改正で主な点は次の通りです。

ただ単に変更点を羅列してるので、読み飛ばしてもOKです。

・給与所得控除が全体的に10万円引き下げられる。

・給与所得控除の上限年収が850万円になる。

・基礎控除が全体的に10万円引き上げられる。

・合計所得金額が2400万円超2500万円以下の場合、段階的に基礎控除が減らされる。

・合計所得金額が2500万円を超えると基礎控除の適用がなくなる。

・青色申告特別控除額が65万円から55万円に引き下げられる(ただし、帳簿を電子保存している場合、又は、申告期限までにP/LもB/Sも含め電子申告する場合は、65万円の控除が受けられる)。

 

給与所得控除って何?基礎控除って何?

今回、増税又は減税になるのは、給与所得控除と基礎控除が改正される点がポイントです。

給与所得控除と基礎控除の説明の前に税金の計算方法から解説します。

1.税金の計算方法を確認

まずは、税金を計算する際の計算方法を確認しましょう。

計算方法は次の通りです。

・サラリーマンの場合・・・(給与の年収ー給与所得控除ー所得控除)×税率=税金の金額

・自営業やフリーランスの場合・・・(売上ー経費ー青色申告特別控除ー所得控除)×税率=税金の金額

(これはサラリーマンのイメージ図)

※所得控除とは、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除や基礎控除などを言います。

給与所得控除とは

給与所得控除とは、サラリーマンの税金を計算する際に、一定額を年収の額面金額から差し引くものです。

その給与所得控除の金額は国が決めています。

下記がその計算方法で、左側が今回の改正のもの、右側が現在のものです。全ての収入の人を対象に、給与所得控除の金額が10万円引き下げられています。

 

基礎控除とは

基礎控除は、所得控除の一種で、今までは全ての人に対して一律38万円の控除がありました。

今後は、合計所得金額が2400万円以下の人に対しては一律48万円の控除になります。

 

結局は

サラリーマンで850万円以下の年収の人は、給与所得控除の引き下げと基礎控除の引き上げで±ゼロです。

サラリーマンは高収入な人が増税、自営業者は減税・増税・現状維持の3パターンに分かれます。

この改正は2020年1月以降に適用される予定です。

 

最後に

税制改正大綱はまだ法律として確定したものではありません。

ただ、概ねそのまま法律として成立することが多いです。

最終的にどうなったか、新聞等でチェックしましょう。

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税理士 辰田美香
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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