売上代金の未回収が長引いたときのために経営者が知っておきたいコトー2020年4月から民法が改正されます!

      2018/06/04

2017年5月26日に「民法の一部を改正する法律」が通常国会で成立し、6月2日に公布されました。そして、その法律は実際に2020年4月1日から適用されます。

今回の改正は債権法が主な対象です。

その中でも債権の消滅時効は是非経営者も頭に入れておいてほしい内容です。

消滅時効の期間はどう変わるのでしょうか。




消滅時効って?

時効には消滅時効と取得時効があります。

「10年前にお金貸して返してもらってない!」と相手に言って、「それはもう時効でしょ。」と言われるのが消滅時効です。

現在の時効期間

消滅時効は、原則10年、例外として次のように職業別に時効期間を決めていました。

債権の種類  時効期間
飲食代・宿泊代・動産のレンタル代  1年
商品の売買代金(小売、卸売、製造)・弁護士報酬  2年
医師等の診療報酬・工事請負代金  3年
一般の商取引債権  5年

起算日(期間の開始日)は「権利を行使できる時」です。

例えば、会社を経営している人が借金をしている場合、返済期日から5年です。但し、時効はリセットされたり、時効期間の進行が停止することがあります(詳しくは下記参照)。

2020年4月1日からどう変わるか?

上記のように今まではその債権の種類によって時効期間が違いました。

それが債権の種類にかかわらず、原則として「1.権利を行使できることを知った時から5年」又は「2.権利を行使できる時から10年」となります。

つまり、時効の起算日が2種類になります。

この辺は理解が混乱すると思いますが、とりあえず、経営者は全部の債権の時効期間が5年になったと覚えておきましょう。

時効の中断・停止

時効の中断・停止という言葉が変わります。

2020年4月1日から「中断」は「更新」、「停止」は「完成猶予」という言葉になります。

時効の中断

時効の中断とは、時効期間がリセットされて、ゼロから時効期間を数えなおすことです。

5年の時効期間で支払期日から4年経過していた場合、時効が中断されると、時効期間はその中断された日や中断の事由が確定した日から5年になります。なので、支払期日から考えると時効成立までに少なくとも9年は掛かることになります。

どうやって中断させるか?ですが、裁判したり、財産の差押えをしたり、相手に借金や未払があることを認めさせたりすると、時効が中断されます(細かい話は省略してます)。

裁判や財産の差押えは、ハードルが高いですね。

経営者が自分でできることと言えば、相手に借金や未払があることを認めさせる行為です。

この認めさせる行為とは、

1.少額でもいいから払ってもらう。

2.借金や未払について、残高確認書を作成して、署名・押印してもらう。

などがあります。

また、準消費貸借契約書を作成するという方法もありますが、自分で作成する場合は有効な契約書になるように必要事項をしっかり明記する必要があります。

※準消費貸借契約書とは、今ある借金や商品代金の未払に関する書類を書き換えたり、複数の借金や未払を一本化するための契約書です。

時効の停止

時効の停止は、時効の進行が一定期間止まることです。

5年の時効期間で支払期日から4年経過していた場合、時効が停止されると、時効の成立は停止期間経過後から1年になります。なので、支払期日から考えると時効成立までに5年+停止期間が掛かることになります。

内容証明郵便を送付することで時効の停止が可能です。内容証明郵便を送付すると、時効期間の進行が6か月間停止します。

その他にも時効の停止事由はありますが、省略します。

また、今回の改正により、2020年4月1日からは、当事者間の合意により時効の完成猶予(現在の「停止」)を認める制度が導入されました。

当事者間で交渉がされており、借金や未払の存在を認めさせる行為ができない場合に、時効完成間近に使用されます。

但し、書面やメールで相手に合意を求めることが必要です。

最後に

経営者が自分の会社を守るために最低限知っておきたい点について書きました。

簡単に書きたかったので、正確な法律用語は使用してません。

また、実際に滞納する取引先に対し何か手を打つ場合は、ご自身でしっかり勉強するか、専門家に相談してくださいね。

 

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