日当を支給するなら旅費規定は作成しないとダメですよ

      2019/06/30

法人が役員や従業員へ日当を支給すると、法人の経費にできる上にその日当については個人に所得税や住民税がかからず、節税となります。個人事業主の場合、従業員に対して支給した日当は経費として認められますが、事業主自身には使えないため、法人成りをした際には検討したい節税策です。

法人の節税策として有効な日当ですが、旅費規程を作成し、適切に運用しないと、税務調査の際に経費として認めてもらえないことがあります。

制度として導入する前に、メリットとデメリット、注意点を把握しておきましょう。

そもそも日当って何?

日当をなぜ支給するのか?

日当は、交通費やホテル代とは別に支給されるものです。私もサラリーマン時代は日当が支給されると、なんとなく得した気分になりました。

日当を支給する理由は、大きく分けて2つあります。

1.遠方へ行くことをねぎらう意味で支給・・・遠方へ行って仕事をするんですから、体力的にも精神的にもきついです。遠くまで行って目的を果たせずに帰るわけにも行かないし、プレッシャーありますよね。

2.食事代や雑費に充てるために支給・・・普段ならお手製のお弁当で済ませられるところが、出張先ではそれができません。また、出張中に着替えを購入する必要が出たり、出張していなければ支出することがなかった経費を負担することがあります。それを全て個人の負担で賄うのは気の毒だし、実費精算も面倒だよね、ということです。

日当を支給することのメリット

日当は、実費精算の代わりという意味もあり、通勤手当と同じで所得税や住民税が非課税となります。

出張が多い社長であれば、法人で経費にできる上、個人の所得として税金がかからないため、良い節税策となるでしょう。

また、国内出張であれば、消費税の計算上も節税になります。消費税の計算は、「売上に係る消費税-仕入や経費に係る消費税=消費税の納税額」です。この仕入や経費に係る消費税の中に、国内出張の日当を含めることができます。

日当を支給することのデメリット

日当を支給する場合は、出張をする全ての役員や従業員を対象にする必要があります。もちろん、役員や従業員の役職で金額を変えることは可能です。

従業員の出張が多いと、その分会社の負担が増えます。従業員の労をねぎらう為なので惜しくない!従業員の頑張りで利益も十分に出ているから構わない!といえる状況なら良いのですが、日当を支給して資金繰りが厳しくなるようでは、良い節税策とは言えません。

また、賞与とは違い従業員の頑張りに対して差を付けるわけではないため、出張が多く多額になると、支給するときに「モヤ~」とした気持ちになるかもしれません。

日当支給にあたっての注意点

旅費規程を作成する

出張旅費規程を作成することが必須です。

その規程に一日当たりの日当を定めます。

代表取締役8,000円、その他の役員5,000円、部長3,000、その他の従業員2,000円など

いくらにするかは、会社の自由ですが、一般的とされる金額と比べ多額であると認めてもらえない可能性があります。また、役員報酬や給与とのバランスも考えたほうがいいでしょう。

日当は、宿泊を伴うものだけではなく、日帰り出張であっても支給することができます。

日帰り出張の場合、どれぐらい遠方であれば支給してよいのか悩むところですが、これも明確な決まりはありません。

勤務地から100キロ以上、勤務地から片道2時間以上など、旅費規定に定めることになります。

会社の裁量で決めて構わないが常識的な範囲で、ということになります。

出張精算書や出張報告書を作成する

日当は外部へ支払う経費と異なり、領収書やレシートなどの証憑がありません。

そのため、確かに出張したという証拠を残しておく必要があります。

ホテル代や交通費などの実費を精算する書類に、日当欄と出張の目的を記載する欄を設けておくと1枚の用紙で賄えるでしょう。

最後に

出張旅費規程や出張精算書などを作成し、適正に運用すれば、社長一人の会社でも使える節税策です。ただし、従業員が入社した時のことも考え、旅費規程にはあらかじめ、役員と従業員の日当について記載しておきましょう。

カラ出張や個人的な旅行を出張のように見せかけるのはやめましょう。出張の回数が不自然に多かったり、仕事があるはずのない場所へ行って日当支給されていると、税務調査の際に指摘され徹底的に調べられます。

あくまで、法律で許される範囲で節税しましょうね。

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