大阪で開業する女性税理士です。

消費税率10%へ引き上げに対する策-キャッシュレス決済で消費者へ5%のポイント還元!

2020/01/27
 
この記事を書いている人 - WRITER -
上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

いよいよ10月1日から本当に消費税率が10%になります。

それに伴い、消費者還元事業としてキャッシュレス決済(クレジットカード、デビットカード、電子マネー、モバイル決済、QRコード決済)をした際に、消費者に対してポイント還元等をするという制度が始まります。

この消費者還元事業は、税率の引き上げに伴う買い控えへの対策とキャッシュレス決済をもっと普及させたいという趣旨のものです。キャッシュレス決済による買い物について、消費者に対しては5%をポイントなどの形で還元し、事業者に対しては端末購入代金や決済手数料の一部を補助するというものです。

なお、事業者は中小に限られ、また、事業内容や商品・サービスについても制限があります。

消費者へ5%還元するためには、中小事業者がこの事業に対応しているキャッシュレス決済事業者を通じて登録申請をし承認される必要があります。

申請後承認までに2か月ほど掛かるらしく、10月1日から対象事業者になるためには、7月中には申請をしないと、間に合わないかもしれないそうです。

以下、概要をまとめました。

対象期間

実施期間は、2019年10月~2020年6月までの9か月間です。

この期間は、消費者に対して5%をポイントなどで還元し、事業者は負担ゼロで端末を導入し手数料の一部補助を受けることができます。

ただし、冒頭でも書いたように、事業者が申請し承認を受ける必要があるため、承認が遅くなると恩恵を受ける期間も減ってしまうことになります。

対象となる事業者は?

資本金の額や従業員の数

業種によって、資本金の額や従業員の数に制限があります。

例えば、小売業では、資本金5千万円以下の会社又は従業員数が50人以下の会社及び個人事業主が対象になります。サービス業や卸売業など他の業種はもう少し制限が緩くなります (詳細はこちら) 。

この事業を利用したいからと言って、一時的に資本金を減資したり、従業員数を減らし、2020年7月以降に再びもとに戻すような行為は、申請時点にさかのぼって対象外にされます。

事業内容

金融や保険、公益事業、風俗などは対象外です。

街にある店舗で対象外として思いつくのが、薬局や病院・整骨院などです(詳細はこちら)。

調剤薬局の場合、市販の薬や日用品は対象になりますが、処方箋による薬は対象外です。

病院や整骨院で自由診療をすることがありますが、こちらは保険診療でも自由診療でも施設で社会保険診療を行っている場合は対象外です。

あと、介護保険を扱う事業者は、介護保険による給付があるサービス等は対象外ですが、特定福祉用具販売事業所が行う特定福祉用具販売、工務店やリフォーム業者が行う居宅介護住宅改修は補助対象です。

フランチャイズチェーンは還元率が違う

フランチャイズチェーンは、上記の資本金の額や従業員の数を満たしていれば、対象ですが、消費者還元率が2%になります。また、端末購入代金の補助や決済手数料一部補助はありません。

ただし、フランチャイズチェーン本部自体が上記に記載した中小事業者に該当する場合は消費者還元率は5%です。

対象外となる商品は?

自動車、新築住宅、宝くじ、切手、印紙などは対象外です(詳しくはこちら)。

バイク、アルコール、書籍やCD、たばこは対象です。ただし、たばこについては条件付きです(詳しくは財務省HPをどうぞ)。

あと、消費税増税による対策のため、軽減税率対象商品は対象外のようです。

申請方法と対象の決済事業者

申請方法

申請は決済事業者を通じて行います。

必要書類などは決済事業者の指示に従って用意することになりますが、開業届や確定申告書、納税証明、法人の登記簿謄本などが必要になります。

一つの決済事業者で消費者還元事業用の加盟店ID(13桁)を取得すると、他の決済事業者でもそのIDを使用します。なので、すでに消費者還元事業用の加盟店IDを持っている場合は、決済事業者へ加盟店IDを伝えて申請します。

対象の決済事業者

対象の決済事業者はこちらから検索できます。

ヤフー、楽天、paypay、 Square 、メルペイ、セディナ、オリエントコーポレーション、lineペイなど。銀行系のカード会社もありました。

仮登録時点で名前のあった決済事業者で現在記載が見当たらない決済事業者もあります。自分の使っている決済事業者を検索して出てこなかったら、直接問い合わせてみましょう。

まとめ

今回の消費者還元は中小事業者にとっては、集客の助けになるものと思われます。

ただ、決済手数料が補助されるのは、期間限定です。

期間終了後の決済手数料もチェックしておかないと、こんなはずではなかったとなるかもしれません。後のことも考えたうえで、決済事業者を選択し申請しましょう。

消費者還元事業に係る中小事業者向けの相談窓口は、0570-000655です(平日10時~18時)。

 

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上場企業等で経理の仕事を経験し、その後、税理士業界へ転職。実務経験を約10年積んだ後、独立開業。

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