個人事業主の皆さん、2020年からは電子申告にしないと不利ですよ。

青色申告特別控除とは、領収書なしで利益から65万円又は10万円を控除できる制度です。
2020年からは、この制度のうち65万円の控除額が改正になり、基本的には55万円の控除額となります。
ただし、一定の条件を満たせば、今まで通り65万円を控除することができます。
青色申告特別控除とは?
そもそも青色申告特別控除とは、青色申告の届け出を提出し、一定の帳簿条件を満たせば、所得(利益)から10万円又は65万円を控除できるというものです。
そして、65万円を控除するためには、
1.複式簿記により帳簿を付け
2.確定申告書に貸借対照表を添付し
3.期限内に申告をする
という条件を満たす必要があります。
上記の1-3の条件を満たせない場合は、10万円の控除額となります。
具体的にどう変わる?
10万円の控除額については、何も変更ありません。
65万円の控除額については、55万円の控除額が基本となります。
そして、今まで通り65万円を控除したい場合は、
・電子申告により申告する
・電子帳簿保存を行う
上記のいずれかの条件を満たす必要があります。
つまり、青色申告特別控除は次の3通りになります。
1.10万円の控除額
2.電子申告又は電子帳簿保存をして65万円の控除額(複式簿記等の要件を満たす場合)
3.2以外は55万円の控除額(複式簿記等の要件を満たす場合)
なお、電子帳簿保存は、電子帳簿保存を開始する3か月前までに税務署長へ届け出が必要です。
また、電子申告をするためには、原則マイナンバーカードとカードリードライタが必要ですが、現在は暫定的にマイナンバーカードがなくても電子申告が可能です(詳しくはこちら)。
青色申告特別控除の改正と共に基礎控除も変わる
2020年分からは基礎控除も変更になります。
基礎控除とは、所得控除のうちの一つで、誰にでも適用されるものです。
現在は基礎控除は38万円となっています。
その基礎控除が2020年分(2021年3月15日期限の確定申告)から48万円に変わります。
そして、所得制限も加わり、48万円控除できるのは、所得が2400万円以下の人に限定されます。
所得が2400万円を超える人については、次のようになります。
①所得が2400万円超2450万円以下の人→控除額32万円
②所得が2450万円超2500万円以下の人→控除額16万円
③所得が2500万円を超える人→ゼロ
なんと、所得が2500万円を超えると、基礎控除がゼロになったのです。
この基礎控除の改正は、所得税だけではなく、住民税も行われています。
まとめ
2020年分以降、現在と比べて税額はどのように影響を受けるか?は次の通りです。
・青色申告特別控除額65万円の適用を受け、電子申告又は電子帳簿保存をしている個人事業主→基礎控除が10万円増えるため、減税(所得が2400万円以下の場合)
・青色申告特別控除額65万円の適用を受け、紙で帳簿を保存し紙で申告書を提出している個人事業主→青色申告特別控除は10万円減るが、基礎控除が10万円増えるため、変わりなし(所得が2400万円以下の場合)
・青色申告特別控除額10万円の適用を受けている個人事業主→基礎控除が10万円増えるため、減税(所得が2400万円以下の場合)